優しい君に恋をして【完】
今日の授業は、特別長く感じた。
早く、早く......放課後になってよ......
勉強なんか、頭に入らない。
放課後、私の駅のホームで優と待ち合わせしていることが、
楽しみで、待ち遠しくて。
お昼休みに、優にメールをしてしまった。
============
今、お昼休みだよ(^∇^)
放課後、優に会えるのが楽しみすぎて、
全然勉強が頭に入らない(^_^;)
============
「何、憧れの彼にメール?」
教室で机をくっつけて、向かい側に座った真菜が、
お弁当を袋から出しながら笑った。
「うん」
送信ボタンを押してから、携帯を机に置き、
私もお弁当を出した。
「今日ね、放課後駅のホームで待ち合わせして、
一緒に帰るんだ」
「よかったじゃん!!
もう、付き合っちゃえば?」
「付き合う......」
「嫌いな女の子とわざわざ待ち合わせして、
一緒に帰るわけないじゃん。
しかも、違う高校の子と、わざわざ違う駅で」
そうかな......
その時、携帯が鳴った。
============
ちゃんと勉強しな。
俺も人のこと言えないけど。
============
人のこと言えないって......
優も私と同じってことかな......
「何、ニヤニヤしてんの?返信なんだって?」
真菜が、体を乗り出して携帯を覗き込んできた。
「秘密、秘密」
ふふふっと笑いながら、携帯を両手でぎゅっと握り締めた。