優しい君に恋をして【完】
心の声を
学校に着き、
教室に入ると、
隣の席に座っていた白石くんに話しかけた。
「昨日、優と何があったか、
教えて欲しい。
突然、もう会わないって言われたから」
「えっ」
白石くんは驚いていた。
「白石くん、何を優に言ったの?
どうしてこうなっちゃったのかわからない。
何を言ったの?何があったの」
「何って......本当に何も変なことは言ってないんだ。
なんで、会わないなんて......
ごめん」
白石くんは頭を下げた。
「謝らなくていいから。
何を言ったのか教えて欲しい」
白石くんは顔を上げると、
昨日のことを話し始めた。
「遠山さんと付き合っているのかを聞いたんだ。
俺、遠山さんが彼と付き合っているのなら、
きっぱり諦めようと思った。
そしたら、彼は首を振ったよ。
だから、
ちゃんと遠山さんの気持ちを考えて欲しいって言ったんだ。
遠山さんを幸せにしてあげて欲しいって、
ただ、それだけだよ。
彼に言ったのは。
本当にそれしか言ってない。
それに、
そう言った俺に彼は、
大きく頷いたんだ。
だから、まさか会わないっていう選択をするとは、
思わなかった。
ごめん、余計なことをしたよな。
本当にごめん」