俺様生徒会長
「母はまだ起きないのです。このまま…このまま起きなかったら私…私……」


…………ちょ、ちょっと待て!!

「おい!嘘も大概にしろよ!!」

「あら、バレました?」

「バレてるわ、最初っから!!」

「迫真の演技でしたね、霜川さん。」


そこに急に河合が現れそう言った。


「ありがとう、河合くん。」


柔らかく微笑む霜川。


「で。」


俺の方を見て言う。


「さっきからうるさいんですよね。もう少し声のボリュームを下げることは出来ないんですか?」


「俺だけかよ!?」

「はい。神谷だけうるさいんです。」


ズバッと言った。


なんで俺だけ…。


「あ、神谷くん!今葵が走ってるよ!」


「え。」


俺はすかさずグランドを見る。


あ、本当だ。

葵は走っていた。


葵は遅い方だった。

だが、皆に負けじと走っている。

葵が走り終わり、見るのを止めた。



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