俺様生徒会長
俺は悩んだ。


行きたいことは行きたい。

今も気になって仕方ない。

那岐の優しさに甘えて、今すぐにでも葵の元に駆けつけたい。

だが……


「行ってくればいいじゃないですか?」

「え。」


河合…


「今、そんな状態じゃどちらにしても仕事に集中できないでしょ?」

「そうよ!後のことはあたしたちに任せてさ!」

「はい。行ってらっしゃい、会長。一応私も出来ることは頑張ろうとは思うので。あ、後で何かおごってくださいね。」

「おま……そういうこと言うかぁ?」


そういうこと言わなかったらもっと良かったんだが…


「だが、仕事が…」

「大丈夫です。ちゃんと会長の分は残しときますから。」


おい!

残すのかよ!!


「安心してよ。僕がやっといてやるから。」

「え?でも那岐、お前は部活が…」

「少しでも君に借りでも作っておこうと思って。」

「な…」

「まあ、僕は自分の仕事終わったしね。」


「「え!?」」

「本当に!?那岐くん!」

「うん、皆が話してる間にね。ということで、早く行ってきなよ神谷。悪いと思うなら。ほら、早く君の仕事渡してよ。」



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