俺様生徒会長

side葵

グランドに向かってると、途中でいつも通る中庭で二人の男女がいた。


キスをしていた。

深いキス。


あたしは反射的に物陰に隠れた。

嫌だなぁ、最近の若い人たちは…。

ってあたしもなんだけど。


つい隠れてしまったんだけど、どうしよう…。

出て行くタイミングがつかめないし…。


ちょっと考えてたら、男の人の顔が一瞬少し見えた。


「え…」


その時あたしはものすごく驚いた。


一瞬自分の目を疑った。

「落ち着け」と自分に言い聞かせた。


まさかだった。

信じたくなかった。



でもその男の人は………


新井先輩。



最初は見間違えなのかもと思ったけど、そうじゃなかった。

間違いなく新井先輩本人だった。

あの噂は本当だったんだ。

悠也が言っていたことは事実だったんだ。


少しその二人を見てると、新井先輩と目が合った。

すぐに目をそらしたけどもう遅かった。



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