俺様生徒会長
「その時葵は中学生。その事実を知った時、お葬式の時は泣いてたんだけど、それ以降私達の前では泣かなかったの。逆に家の手伝いをよくするようになったかな。手伝いはよく羚司がしていたから」



そう言うと少し間をあけて、



「でもある時…部屋のドアの隙間から見えたの。その写真を見ながら泣いてる葵を。“お兄ちゃん”って呼びながら泣いてる葵を」



俺は目をうるうるさせながら言う茜さんの話を、ただ黙って聞くことしか出来なかった。



ただ、その話を聞いて分かったことがある。


葵は、栗原 羚司に似ていたから新井と付き合った。


好きだったのは新井ではなく、栗原 羚司だったんだ。



多分、茜さんたちの前で泣かなかったのは心配をかけさせないため。



でも今も好きでしかたないんだろう。



だから葵は……。






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