じぇねれーしょん
『早く帰ってくるから。いてよ?家にいてよ?絶対だよ?』
家を出るとき七緒にくどいほど念押しした。
気力体力ともに限界を超え半ば仮死状態の七緒が聞いていたかどうかは定かではないが。
ともあれ、鍵は置いてこなかったから、律儀な七緒は多分家から出られない。
ソワソワと落ち着かない一日を終え、ようやく放課後にありついた。
「ごめん。誰か今日の掃除当番代わって!」
必死で拝みこむ利嘉に友人の一人がいいけど~?と応じてくれた。
「ナニヨ?バイト?」
「違う。バイトより大事な用事あんの!」
「守銭奴の利嘉がバイトより優先するコトっ!?………ナニ?訃報?」
えぇー……。
「そこ一番にオンナとか出てこない?ナゼ?」
「利嘉ちゃんモテルのに最近、全っっ然オンナッ気ないから!巷ではホモ?疑惑あんのよ?」
「……あるなよ………」
利嘉は顔を引きつらせる。