じぇねれーしょん


だからといって開き直れるものでもなく。

猛獣と一緒に檻に入れられた小動物の心境だ。


リカも七緒ほどではないが、居心地の悪そうな顔をしてヒタスラ沈黙のままお手伝いに従事している。


まぁ、保護者にカノジョを紹介するには気恥ずかしいお年頃ではあるけれど。

リカの場合はそれが堂々とカノジョと言えない相手なわけで。


皆実が、七緒の知る相変わらずの皆実なら、『脅して』関係を持ったなんて知れたら、手加減なく弾劾するに違いない。

柔軟な男だが、倫理概念は意外なほどしっかりしているのだ。


ここは一つ、リカと結託して『自由恋愛だ!』と逃げ切るのが妥当だろう。

とは思うが、この年の差ではその理由もやや苦しいものとなるだろう……。


八方塞。



程なくしてテーブルに色とりどりのご馳走が並んだ。

ワインは白。

それに併せたように、サラダメインの海鮮パスタとサーモンのカルパッチョ、鶏肉のソテーなどなど。どれもが色彩鮮やかで、食欲をそそる香りを立ち上げている。



この先輩、昔から妙な特技や小技が利く。


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