じぇねれーしょん

その真意を探ろうと眼を眇め、次いで語りだした皆実の声に顔を向ける。



「七緒ちゃんはねー、ロッテンマイヤーさんだったなー。」


「……はい?……それってアルプスの少女に出てくるアノいけすかねーメイド長のことでしょうか?」


心外だ。


顔を顰めると、皆実はあははーと笑う。



「いけすかねーわけじゃなく、ね。背筋ピンってしてて、顎引いて、キリリリッってカンジがさ。だっていつも『アーデルハイドッ!』って怒るみたいに、ボクのコト怒ってたでしょ?」


「それは毎日怒られるようなことをしていた先輩が悪いのだと思いますけど?」


皆実はやっぱりあっはっはーと笑い、コロッと話題を変えてきた。



「そいえば、ボクの友人の笹田クン覚えてる?彼、高校教師になったんだよー。」


「えっ、あの不良かぶれの人ですか?」


「不良かぶれっていうかド・ストライクの人。昔の自分みたいな奴に好かれる先生を目指すとか、いい事いっちゃってねー。」


「へー……」



そんな調子で大学の頃の思い出話に花が咲き、後は仕事の近況報告など。


気まずい状況も皆実の話術に払拭され、和やか過ぎるほど和やかに食事が進んだ。









――――その時までは。


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