じぇねれーしょん



「というわけでリカあーん。」

「いらね。」

「じゃ、やっぱ七緒ちゃん。」



素気無く突っ返されたフォークが再び七緒に向けられようとして、リカがピラニアみたいに食いついた。


それをクスクス笑って眺めていた皆実が、徐に時計を見て立ち上がった。



「あーもうこんな時間。悪いけど後片付けお願いネ。ボク、そろそろ仕事いかなくちゃー。」


「……いいけど。皆実さん一体何しに来たわけ?」


リカが怪訝そうに尋ねると、皆実は思い出したというように笑顔を浮かべた。

そして


むぎゅーっ!!


手加減なくリカの耳を引っ張った。


「いたたたたっ!いてーって、なにする……っ」


「そうそう。すっかり忘れるところだったけど。昨日、店でモンダイ起こしたって?」


七緒ははっとし、慌てて立ち上がった。


「違う、先輩、それは……」


私の所為だ。


しかし七緒の訴えは鼻先に翻った掌に制された。


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