じぇねれーしょん


「なぁにー?忘れモン?」


不機嫌にそう尋ねた途端、


むぎーっ!!!


唐突に鼻を掴まれた。


先ほど耳を引っ張られた時もそうだが、手加減なんてものが全くない。



「いひゃいっ!なにふる―――」


振り払って睨み付けると、ずいっと距離を縮めた美貌がにこっと笑顔を炸裂させた。



「君さー、どんな阿漕な手を使って七緒ちゃん落としたの?」


ギクッ!


顔を強張らせ、思わず身を引く。



「……えと、……それ、七緒さんがなんか言った?」


「うんにゃ。でもね、あの七緒ちゃんがさぁ君みたいなガキ相手にするなんて本来アリエナイもんねー。」


利嘉の胸がズキリと鳴った。


ギリッと奥歯を噛み締める。


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