じぇねれーしょん
暫く利嘉は閉まった扉を見続けていた。
……色々、刺されたなぁ……
コレに本当に傷がつくなら、多分満身創痍だ。
『利嘉がどうってわけじゃなくて、だよ?』
皆実はそう言ってくれたけど、そこに一番引っかかっているのは誰でもない利嘉自身だ。
もっと早く産まれたかった。
今、オトナなら…、せめて高校生じゃなかったら。
歳を理由にあっけなく恋愛対象外にされることはなかったはずだ。
努力ではどうにもならない理由で拒否られるのが一番堪える。
だって、どうしようもない。
オトナのフリをしてみても実年齢やソレに纏わる環境はいかんともしがたいのだから。
コドモじゃなかったら、高校生じゃなかったら。
出会ったところから別の展開があった。
少なくとも七緒を脅すような真似をしなくてもアプローチの方法があった。
周囲に隠れるような付き合いにはならなかった。