じぇねれーしょん
利嘉は立ち尽くしている間に、それら全てを噛み砕いて飲み込んだ。
Ifなんて、考えても仕方ないじゃん。
考えたってどーにもならないんだから、最善でいられる方法を考えよう。
ソレが建設的だ。
だって、コドモだから、釣り合わないからって、諦められるくらいならとっくにしている。
そんな理由で諦められないんだから、阿漕な手段だろうが、猫撫で声だろうが、なんだって使って引き留めるまでだ。
自分に言い聞かせて、リビングへ舞い戻った。
七緒はシンクに立ち、洗い物の真っ最中だった。
テーブルを見れば、僅かに残っていた物が一つの皿に綺麗に纏めてあって、粗方片付いている。
「わー。アリガトウ。ゴメンネ。ゆっくりしててくれて良かったのに。」
「ん。お仕舞い。食器の位置とか分からないから、後はお任せするわ。」
「はーい。」
距離を縮める前に、手を洗った七緒が踵を返した。
擦れ違う時に、ちょっとした違和感。
だけど、いつもどおりの会話に気のせいと深く考えなかった。