じぇねれーしょん


身を翻した七緒の腕をとっさに掴んだ。



「帰さない。」

「帰る。」

「ヤダよ。」

「リカ。」


冷たい呆れ返ったような双眸が肩越しに利嘉を射抜く。



「そんなワガママ言ってるところ……本当にコドモみたいだわ。」



その言葉にギクリとした。


拘束が緩んだ隙に七緒はさっさと身を翻して玄関を出ていった。


利嘉は追うことも出来ずに、ズルズルと壁を伝ってしゃがみこんだ。



サイテーだ。

失敗した。


七緒を繋ぎとめるにはオトナじゃなきゃいけないのに。


自分の不安を消化できずに、駄々を捏ねた。

コドモだといわれても仕方ない態度を取った。


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