じぇねれーしょん






「……………なんで?」


校門まで来ると、先日丁寧に断わったはずの千佐都が待っていた。



「来てみてヨカッタ~。リカ君、補習なかったんだねっ。一緒にいこー。」


顔を引きつらせる利嘉の周囲でツレ達が下世話な口笛とともに囃し立てる。


「なんだよー。カノジョと上手くいってないようなコト言って、全然ナカヨシさんじゃーん。」

「チクショー。ジョ高のカノジョなんてウラヤマシー。」

「ちょ、お前等、限りなく誤解……」


盛り上がっている一同は、力ない利嘉の突っ込みを完全黙殺。

そのうち、利嘉の憂鬱は、


『この間の訃報の件で仕方なしにあしらったために、カノジョと仲違いしたと思い込んでいたのだろう』


という推測まで確定する始末だ。


この間の門でのやり取りも教室から見られていて、からかうツレに対し、丸一日かけて言葉を重ねて誤解を解いたところだというのに。


< 139 / 233 >

この作品をシェア

pagetop