じぇねれーしょん



「ちょっと待てって!彼女は全然チガウって言っただろっ!今度撮影で一緒するだけだから。ねっ、加藤さん!」


他人を強調するように力一杯カトウと言った利嘉に対し、千佐都は「あ」と思わせぶりな声を上げた。


「そうだ。撮影始まっちゃうよー。そろそろ行こうよ、利嘉クン。」



ぐぅ………っ!
見事にかわしやがった!


小賢しくも、内容の是非には一切触れず、笑顔でサックリ話題転換された。


飲み屋で働いているから、この手のオンナには免疫があるし、迎撃するだけの要領もあるけど、ホンジツはへこみモードでとても相手にする余力がない。


一同の冷やかしの中、利嘉は、愛想よくみんなに手を振る千佐都にへばりつかれながら、憂鬱一杯に撮影所へ向かった。


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