じぇねれーしょん
暫く攻防が続き、一向に折れそうにない七緒に立花が折れた。
「分かったから、ちょいと退けってーの。」
忌々しげな顔で一歩下がるのを確認してカメラが目の前に引戻された。
操作するカメラを七緒も覗き込む。
「ったく。たかが年の差恋愛なんかでそうムキになんなっつーの。お子ちゃまか、オマエは。」
はい?
ブツブツと呟かれた台詞に七緒は顔を上げ、次の瞬間大きく仰け反った。
顔といわず全身火達磨だ。
「ななななな。何が、レンアイですか!?誰が、誰と!?」
「おーおー。綻びたら一気だな、オマエのポーカーフェイスは。」
立花はチンピラの名に相応しくニタニタといぎたない笑みを浮かべる。
「お前等のはスッゲー分かりやすかったし。特にオマエ。」
「わか、分かられる事実なんて……。あの、仮にですが、私の、どこが………?」
「知り合いって触れ込みだったのに、あからさまに一線引いて逆によそよそしすぎんだよ。なんかあって、隠してます、っての見え見え。」
「……ぅぅ」
恐るべし立花。
七緒はガックリと項垂れた。