じぇねれーしょん
「やっぱモデルやってる子って違うねー。千佐都あんなふうに格好良くポーズとれるかなぁ~。」
隣からは千佐都がキャアキャアとはしゃいだ様子で声を掛けてくる。
うんざりしながらも当たり障り無く対応していた利嘉は、思い出したように顔を向けた。
「俺のコト気にしてるなら大丈夫だし、出待ちの彼等と話してきたらどー?彼等なんか加藤さんと話したそうにしてるし?」
正規モデルと紹介されたのはティーンエイジャーと思しき野郎が五、六人。
入れ替わりで撮影に入り、後は利嘉たちと少し離れたところで車座で雑談している。
その視線がチラチラとコッチを向く。
野郎のシツレイなところで、仲間内でオンナノコの品定めに花を咲かせているのだろう。
声かけてみっかー?という表情から読むに、千佐都は結構な高得点を弾き出したようだ。
多分、そんな事は隣の聡いお嬢さんは十分承知しているのだろうけど。
「えー?私ぃ、人見知りだしぃー。」
人見知りさんは、他校の前で待ち伏せなんかしませんヨ。
可愛く顔を傾ける千佐都に乾いた笑みを返しつつ、内心辟易と溜息を吐いた。