じぇねれーしょん

一緒にいてもあんな顔みたことない。


利嘉の意地悪に、時折ムキになるけれど、直ぐに『仕方ないわね』とオトナの顔で笑う。


七緒にとって利嘉は手のかかるお子ちゃまで、本気になっては大人として体裁が悪いと思っているのか。


男には年から器のデカさまで差を見せ付けられた気分だ。



「つか、ヤツ等デキテルって噂、マヂー?」



何気ない揶揄に危うく心臓が止まりかけた。


は?

付き合ってる?

七緒がアノオッサンと!?

まさか、ないない。


即座に一蹴してみたものの、嫌な邪推がジワジワと湧き上がる。


仕事が忙しいとはいうけれど、まさかソイツがいるからじゃないよね?


嶮しい顔で考え込んでいると後ろからスタッフに、支度を始めるからといって呼ばれた。



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