じぇねれーしょん



支度を終えてフィッテングルームを出ると、廊下に七緒が待っていて、出てきた利嘉に眩しそうに目を細めた。


「いいじゃない。とてもカワイイわ。」


言われて思わず顔が緩む。


カワイイより格好イイと言われたい心境だけど、七緒の誉め言葉は何だってウレシイ。


現金にも七緒の喜ぶ顔見たさに頑張ろうという気になる。


千佐都の支度はまだもう少し掛かりそうなので一足先に行って待っていることになった。



「頑張ってね。期待しているわ。」

「じゃあ、ちゃんと出来たらゴホービね?」


何の気なしに放った戯言だった。

いや、8割方期待が篭っていたけれど。



いつもみたいにオトナの微苦笑でかわされるかと思っていたのに、七緒は少しだけ驚いたように目を見張り、逃げるように顔を背けた。




「何……言ってんのかしらね。」


遅まきながら繰り出された反論はビミョウに強張っていて、利嘉の鼓動を不穏に揺らした。


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