じぇねれーしょん
『ごほーびくれる約束だよね?』
本気なの!?
昼の戯言を単なる冗談だと思っていた七緒は驚いて目を剥く。
千佐都はどーする気だ、とか、自分はもう用無しじゃないのか、とか色々糾弾し、明白にしなきゃいけないことがあるはずなのに、期待に心が跳ね上がった。
でも、
……ダメ。
七緒は、手元の資料に目を落とし奥歯を噛み締めた。
続々と持ち込まれる写真を原稿に埋め込んで校正を完成させなくちゃならない。
締め切りは間近に迫っていて時間に余裕がない時だ。
「……今夜は無理よ。」
残り僅かな自制をかき集めて、つぶやくように告げる。
『……何時でもいいよ。来て。』
「ごめんね。今夜は本当にダメなのよ。」
自分に言い聞かせるように強く言い返した。
いつもならこの辺で折れるリカが何か言い淀むように間を開けた時、突然、七緒の背後のドアが勢いよく開け放たれ、聞きたくもない濁声が部屋に轟いた。
「和原ァ――――」
うわ、やばっ!
相手が立花といえども勤務中に私用電話をしていた七緒は大いにウロタエタ。