じぇねれーしょん


ああ、もう!



机の上の拳を握り、断腸の思いで声を絞り出す。


「今夜は、ダメ、だって…言ってるでしょ?」


電話先の声が途端に、温度を下げた。


『そーだよね。その会社イイ男一杯いるし。俺といるよか楽しーよね。』

「はぁ!?」


突拍子のない言いがかりにさすがにカチンと来た。


「いい加減にしなさいよ、リカ。この間から何なの!」


この前は皆実。

そして今度は会社の誰か?

捨てるつもりで誰かに押しつけようという魂胆にしても、大雑把過ぎやしないか!?



『ともかく来てよ。待ってるから。』

「行けないっていってるでしょ!」


『来いよ!』



耐えかねたような怒声に、頭の芯がグラグラした。




「行かないわよっ!」



叫び返し、一方的に電話を切った。


ついでに電源も落として、バッグの奥底へ押し込めた。



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