じぇねれーしょん


百聞は一見に如かず。

写真を見れば、立花の言い分がよく分かる。

立花がリカを気に入った理由が。


千佐都が容姿でリカに見劣りするとは思わない。

しかし、写真に切り取る時、重要なのは容姿だけではないのだと理解させられる。


―――なんて、目を惹く華


天性のものなのか、普段見られ慣れている所為なのか、リカの表情や仕草は否が応にも人目を惹きつける。


特別、普段より美形に映っているとかいうのじゃないのに、思わず見つめて目が離せなくなるような強力な吸引力を持っている。


これが表舞台に立つ者に必要不可欠な華という才能なのだ。


立花はリカを今回の臨時モデル枠から社モデルに抱き込めと言っているのだ。


七緒は剥ぐように目を写真から離し、そっと深呼吸する。


「…でも、リカはモデルを続けていく気はない…と、思います。今回の応募は単なる興味本位で―――」

「私がいるからってか?ノロケかよ、うっざ!」

「っ……がいます!!!」


瞬間で熟れた顔で景気よく吠えつく。
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