じぇねれーしょん
「くそ……っ!」
一方的に切られた電話に利嘉は毒づいた。
八つ当たりに携帯をソファーへ投げつけ、手に取った酒瓶をグラスに注ぎ入れ一気に煽った。
胃から、食道から、強烈な熱が競り上がってきて、のぼせたようにキッチンカウンターに寄りかかる。
「ああっ、もうっ!!」
電話越しに聞こえた濁声に頭を掻き毟る。
胃に落ちたアルコールが熱の代わりに不快感を弾けさせた。
七緒は今事務所で仕事をしている。
あのオッサンだって、仕事してんだって。
それが事実だってちゃんと理解しているはずなのに、妄想にも近い邪推がどこからともなく湧き上がって思考を埋め尽くす。
落ち着いたシティーホテル。
ベッドで電話を受けた七緒にシャワーを浴びたクソオッサンが声を掛けて―――
って!!!
落ち着けっ!
コレ、妄想だから!!!