じぇねれーしょん
焦燥を持て余しながら耳に押したてた電話からは『現在電波の届かないトコロにいるか、電源が入っていないためかかりません―――』というアナウンスの無常な声。
「……ちょっと…待ってよ……」
誰に言うものか、利嘉はそう呟いてソファーに崩れた。
先ほどまでのしょーもない妄想がいっきに襲ってきて利嘉を苛立たせる。
まさか本当にあのオッサンとなんかある?
そんなに、あのオッサンとの時間を邪魔されたくないんか!?
身体だけでも独占してるなんて錯覚だったのか。
『若い子はいいわよ。勢いがあって。…でもちょっと鬱陶しいところが玉に傷?』
七緒が余裕たっぷりに笑って、男の首に腕を回す。
『やっぱり私にはアナタくらいのライトでドライな関係が丁度いいわ。』
―――――って!!!
妄想、ヤメッ!!
大体、七緒さんキャラ変わってるし!!
利嘉は自分の妄想に打ちのめされてソファーの上をのたうちまわった。