じぇねれーしょん
午後四時を回り、七緒はかじりついていたデスクを立ち上がり、スタジオへ向かった。
はぁー、気が重い。
リカを説得しろと言われたが絶対無理だ。
バーテンダーに一直線、そのために違法なバイトまでしているリカが、何のメリットがあってモデルなんて引き受けるのか。
切り捨てたくてウズウズしている七緒なんかに引き留められたって煩わしいだけに決まっている。
立花の言うあんなことやこんなことを考えてみて、額を抑える。
…一体、どんなことだよ、って。オイ。
今日の撮影はリカ達だけだ。
準備が行われているはずのスタジオに向かう途中の廊下を足早に進んでいると、突然背後から口を塞がれた。
抵抗する間もなく、傍の倉庫のような一室に連れ込まれる。
「っ…リカ!?」
手を離されて、その人物を確認するなり眉を顰める。
リカは無表情で、後ろ手にドアのカギをパチリと閉めた。