じぇねれーしょん


こんなの惨めで堪らない。


比べられるのが怖くて千佐都と同じ土俵に上がることすら拒んで、挙句リカに負け犬の遠吠えみたいに叫ぶことしかできないなんて。


オトナのくせにこんな風に取り縋ったりして、完璧に呆れられただろう。


―――――これでオシマイ。


どっか行っちゃえ、というように拳を振り上げた。



けれどそれがリカを突き飛ばすより先に、頬を両手で鷲掴みにされて引っ張られた。


なんで?


深く重なった唇に唖然とする。


はっとして慌ててもがいてみたけれど、後頭部に回された手は緩むことなく、キスはますます深くなっていく。



スキ。


リカのキスがスキ。


リカがスキ。



こんなにスキなのに。



そう思うと涙が出た。



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