じぇねれーしょん

焦って抗弁しようとするのを素早く唇で啄ばまれる。



「七緒さん、加藤千佐都にヤキモチ妬いたんだ?」

「っ………ヤキモチなんかじゃないわよっ!打ちのめされたの!」


リカがぷっと吹き出す。


「そー。こんな爆発するなんてよっぽど打ちのめされたんだねー。」

「っ………うるさいわねっ!」


体裁悪さをごまかすように拳を振り上げたが、リカはそれを易々と受け止めて、笑った。


「七緒さん、歳気にしすぎー。すぐ自分のことオバサン扱いするけど、まだ全然コドモじゃーん。」


「六つも年下のアンタにコドモ扱いされたかないわよっ!」


あんな癇癪を爆発させた後で、説得力ないけれど………。


反抗を試みる七緒を宥めるようにまたチョンと唇を啄ばまれた。


「加藤さんのことは、ごめんね。七緒さんをヤキモキさせるつもりはなかったんだけど、俺が色々一杯一杯で振り切れなかったんだよ。」


七緒は苦笑するリカを見詰め、すっと目を眇めた。


「…それは最近リカがおかしかったのと関係がある?」


「うん。……さすが七緒さん。読みが鋭いねー。」


ははっと笑うけれども―――ひどく自嘲的な笑みだった。

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