じぇねれーしょん

笑っているくせに今にも泣き出しそうな顔に、七緒の胸はきゅんとした。


リカはいつだってそうだ。


コドモのくせにコドモじゃないみたいな広さで、こちらを労わってくれる。



嫌われたわけじゃない。

切り捨てようと思われたわけじゃない。



それは分かったけれど。


だけど、ぐしゃぐしゃに絡んだ糸はまだ完全に溶けていない。


ねぇ……

リカはどうしてそこまでして私を繋ぎとめておきたいと思うの?

不安に挫けて、自己嫌悪しながら開きなおって…どうしてそこまでするの?



リカが望むなら、幸せで、ただ甘い、責任もリスクもない、都合の良い恋愛なんていくらでも転がっているでしょ?



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