じぇねれーしょん
自嘲を零していると、手に持っていた携帯がいきなり鳴りだした。
これにはちょっと驚いて、利嘉は慌てて通話ボタンを押す。
「はぁーい。」
『本当にごめんなさいっ。頑張ったのよ、これでも。でも無理だわ。貴方と仕事とどっちが大事とかいう問題じゃないのよ!?でも、無理なのよっ。』
開口一番、捲し立てる七緒に、利嘉はぷっと吹き出した。
昨日から今日にかけての意地悪が相当効いてしまったようだ。
声がいいように翻ってるのがツボだ。
「へーきだよ。」
まだ何か捲し立てている七緒をやんわり遮った。
「もう疑ったりしてないから、心配しないでちゃんと仕事終わらせちゃいなよ。キリが付くまでイイ子で待ってる。」
『………うん。』
多分、実際には電話もしがたいほど忙しい状況だったのだろう。
後ろ髪引かれながらも、本当にごめんね、と繰り返し七緒は電話を切った。
クスクスと笑っていた利嘉は、通話を終え、徐に吐息を吐きだして弛緩した。