じぇねれーしょん
ったくもー。
七緒はオトナのくせに肝心なところで分かってない。
俺ってどんだけ、ボランティア精神溢れるまめまめしいワンコキャラよ。
利嘉は自分の突っ込みに思わずクスクスと笑いだした。
フツ―、どーでもいいオンナにせっせとメール送ったり、いそいそカクテル造っておもてなしなんてしないっつーの。
にしても、七緒が必要以上に歳を気にしていたことには驚いた。
年を気にしてるのなんて自分だけかと思ってた。
追いつけない距離をもどかしく思いつつ、素知らぬ顔で背伸びして、七緒に釣り合うフリをして。
でも全然追いつけてなんかなくて……。
七緒はいつも大人の顔で悠然と構えていて、容易く利嘉をあやしているのだと思っていたけれど。
思いだして、利嘉の顔がにやにやと締まりなく緩む。
普段は超絶クールなくせにあの爆発の仕方は堪らない。
ツボだ。
カワイスギだっつーの!
つっても、まだ二十四なんて世の中じゃひよっこなのにねー。
つか、あんな爆発しちゃうのにねー。
七緒にとって利嘉はオトナの仮面を脱ぎ棄ててでも追いすがる価値があったことが堪らなく嬉しい。
----さあて。
甘ったるいカクテルを一気に飲み干し、ふふんと目を細めた。
七緒がオトナの体裁をかなぐり捨てて心を見せてくれたのだ。
「ここでキメなきゃ男が廃るよね。」