じぇねれーしょん


今日こそはちゃんと話をする。


あれから幾度となく脳裏にリピートするのは皆実のセリフ。


―――アイツがコドモだってことちゃんと認識しとかなきゃダメだよ?


リカがコドモだなんて分かってる。

本当に?

本当に私は分かってた?


リカが上手に立ち回ってくれたから、気がねしないでその愛情を受け取ってこられた。

大切にしてもらっていた。


だけど、それをするリカは?


コドモの顔して大胆不敵なほど押しが強くて。

見返りも求めず、不安すらも呑み込もうとした。


―――七緒さんがリスクのない年相応のお付き合いを望むなら、……俺は叶えてあげられなくても、…皆実さんなら出来るんだよ。


悔しさと、寂しさをほんの少し覗かせながらも―――リカは冷静にそう言うのだ。


その面の厚さにまんまと騙されて、あんな風に歳を気にしているなんて思わなかった。


七緒が歳を気にするようにリカも歳を気にしていた。

追いつけない距離を不安に思っていた。


それなのにフォローすべき七緒は何もしなかったばかりか気づきもしなかった。

< 200 / 233 >

この作品をシェア

pagetop