じぇねれーしょん


現実逃避にぶっ倒れようかとしたとき、途方に暮れる七緒の後ろで居丈高な声がした。


「よし!俺が許可する!ただし、条件が一つある!」


「た、立花さんっ!?」


突然背後で降ってわいた声にゲッと飛び跳ねる。


ただでさえ手に余る状況なのに、立花なんかに介入されては手の施しようがない。


だが、慌てる七緒をよそに二人はサクサク話を進める。


「なんですかー?」


「モデル契約をしろ。ファッション雑誌じゃない枠だが安心しろ、俺が二十パーセント増しでカワイク撮ってやっからよ。」


スタッフが少々ざわついた。


読モからの専属モデル契約はこれまでもなかったわけではないが、立花直々となると、もう人気を約束されたも同じだ。


立花がプロディユースするわけではないが、そもそも見込みのない奴を立花が名指しすることがアリエナイのだ。


そういう意味で彼の才能も真贋の目も確かなものだ。


< 204 / 233 >

この作品をシェア

pagetop