じぇねれーしょん
モデルにしたらとんでもなく名誉なことなのに、それには全く興味がないらしいリカは実に冷静に詰めてきた。
「で?見返りのほどは?」
「ふっふっふ。俺だってそんな阿漕じゃねぇや。正規のモデル料に加えて、和原を貸し出してやる。…まぁ報酬はオマエの出来次第ってやつだが、好きにしな。」
仕事に体差し出せってか……しかも他人の体だし。
十分、阿漕ですよ立花さん。
周囲のスタッフは揃って心の中で突っ込む。
「っー!何、勝手に人を売っぱらってくれちゃってんですかっ!!立花さんにそんな権限ありません!!―――って、リカ!?ちょ、ああーっ!!」
ようやく我に返って立花に抗議をしている間にも、リカは渡された書類にさっさとサインしていて、七緒は頭を抱える。
「保護者の同意書は後日改めて持ってきますねー。」
「おう。事務所へ持ってけ。可及的速やかになっ。」
当人を余所に契約を交わした二人は茫然と立ち尽くす七緒の事などお構いなしに撮影に取り掛かっていった。