じぇねれーしょん
七緒に好きだと堂々と言いたい。
七緒は俺のものだ、と周囲に牽制したい。
ずっと持っていた願いを叶えるにはこれが最善策なのだ。
人間心理とは不思議なもので、隠しているものは暴きたくなる。
逆にこれだけ赤裸々だと、もうお好きになように、という気分になるようだ。
分かっていたけどこれまで出来なかったのは、七緒の気持ちが分からなかったから。
あまり強引なことをすれば、煩わしく思って切られるんじゃないかと不安だった。
だけど、切られる心配がないなら伝えたい。
それで、どーせなら堂々とイチャイチャしたいし?
秘密の恋も魅力的だけど、やっぱ人目を憚るのってストレスだ。
何より周囲に七緒がフリーだと思われるのはカレシとしては釈然としない。
おっと、まだカレシじゃないか。
「で、お返事は?」
「は?」
怪訝な顔を持ち上げた七緒に、カウンターに身を乗り出して顔を近づける。
「告白のお返事はぁー?俺、あんなにどーどー告ったのに、七緒さん答えてくれてないよねー?まぁ、照れ屋な七緒さんだから、二人っきりの時で勘弁してあげるけど。」
言って、と囁くと七緒の顔に朱が走った。