じぇねれーしょん
「あ、あんな醜態晒した後で今更っ……!」
「でも聞きたい。」
じっと見つめると少し濡れた瞳が心許なげにゆらゆらと彷徨った。
程なくしてヒタリと利嘉に座り、小さく、だけど揺るぎなく一言。
「リカが好き」
その言葉はまるで天使の矢のように利嘉の胸を突き刺した。
「リカが好き。若さも可愛げも、余裕もなくて、返せるものなんて何もないけど……でも、好き、なの。」
ごめんね。
消え入りそうな声を、利嘉はカウンターに身を乗り出して唇で塞いだ。
「なんで七緒さんが謝るの?俺は七緒さんが一緒にいてくれれば何もいらないよ?大体、そこ謝るのはお互い様だし。」
返せないのは利嘉も同じ。
だけど、好き。
一緒にいたいという想いをごまかすことは出来ない。
釣り合うオトナになるまで我慢するなんて絶対ムリだから。
想いが通じたように七緒がそっと顔を近づけてくる。
それに口づけで応えて、ぎゅっと抱きしめた。