じぇねれーしょん


何を思っているのかじぃっと利嘉を見つめ返していた七緒が、ややあってふぅっと深い溜息を吐いた。


「リカって意外と見る目ないのね。それともこれが恋は盲目ってヤツなのかしら?」


なんだなんだ。
どーいうこと?


「あの人、一体幾つだと思ってるのよ。彼の娘さん、私と同じ世代よ。」


え?


「ええーっ!?あのチンピラそんなデカイ子供いんの!?つか子供!?いるの!?」


「そう。ま、非公式の子供で、17だかの時の子だから、私の親なんかよりずっと若いんだけど。鈴さんって言ってとてもかわいらしい人よ。」


「鈴………あ!ひょっとして清水さんの?」


あら、よく知ってるわね、と七緒が眉を動かす。


「未来の娘婿は今から舅イジメにあって、そりゃもう大変そうだわ。」


…清水さん、マジで大変そうだな…

人事だけど。


「んじゃ、皆実さんとかは?惜しくない?…元彼とか」

「リカァ」


怒ったような声と同時に、実はかなりはまり物の胸へぎゅうっと抱き寄せられた。

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