じぇねれーしょん

携帯をチェックしながら飛び出してきた彼女は、俺のいる場所とは反対方向へ歩き出し、ピタリと足を止めた。


弾かれたように振り返る。

その胸元でカールした髪が柔らかく揺れた。


距離を隔てて、視線がかち合う。


その顔が驚きを露わにする。


「…………リカ……?」


聞き覚えのある懐かしい声。


鼓膜を震わせ、胸を締め付ける。


ぎこちない顔に俺は精一杯の笑顔を張り付けた。


「お久しぶり。七緒さん。」




タダイマとは言えなかった。

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