じぇねれーしょん
嫌な記憶を思い出し、はぁーと深い溜息を吐きながら、隠しても仕方ないかと開き直ってありのままを伝えた。
「…………ヤロウとキッズに。」
「はぁ…?」
呆れたような七緒さんの相槌。
俺は悲しい記憶をごまかすようにピザの上のピーマンを突いた。
「いや、ほら……二年前の俺って今よりちっこかったし、顔も童顔だし?アッチの奴等デカイし?年相応にみられた事なくて、その手のと言わずロリ好き野郎に大人気。ついでに近所の小学生には同レベルとみなされた。…ちなみに同世代の女の子達にはあからさまにガキかマスコット扱い…。」
ちぇっ。
妬いてほしかったけど、妬いてもらうような要素、まるでナシ。
人づきあいには卒がないから反感も買わずに打ち解けられたけどさー。
まさかこういう方向で好かれるとは俺も予想外。
ブロンドギャルでハーレムなんて罰あたりなことを期待していたわけじゃないけど、さすがに男の子としてのプライド、カタナシ。
俺はチラリと視線を上げた。
「で。七緒さんの方は?」
「え?……私?」
突然水を向けられて、七緒さんは驚いたようにゆっくりと瞬きした。
あー…出たよ、反則技。
いつもクールにキリキリしてるくせに、不意に無防備な反応見せないでよ。
抱き潰したくなって、困る。
今すぐ有無を言わさず拉致りたい、なんて衝動を隠すために殊更笑顔に力を入れた。