じぇねれーしょん
「ふーん。カレシどんなヒト?」
「付き合ってなんかいないわ。…ただ、私が一方的にスキなだけよ。」
シンゾー潰れる。
寂しかったから手慰みに…って方がまだマシだった。
報われなくてもスキって言えるような相手なの?
そんなにスキなの?
絶望している俺のことなんかお構いなしに、七緒さんは少し照れたみたいに続ける。
「服なんて自分に合う物がベストって思っていたけど、好きなヒトを考えてオシャレするのも悪くないわね。」
平静を装った笑顔の裏で、アップアップの状態。
やだもー、俺、ホント泣きそうだよ……。
「リカ」
「…ん?」
「そんな顔しないで」
慰めるような優しい声音に俺の眉間はますます力が籠った。
そんな顔……しないでいられるワケがないんだよ。
胸がイタくてこんなのどうしようもない。
無様にも取り繕うことが出来ない。
けど。
どん底まで落ちたら、もう浮上するしかないじゃん。
だって、俺は帰ってきたんだよ。