じぇねれーしょん


「ふーん。カレシどんなヒト?」

「付き合ってなんかいないわ。…ただ、私が一方的にスキなだけよ。」


シンゾー潰れる。


寂しかったから手慰みに…って方がまだマシだった。


報われなくてもスキって言えるような相手なの?

そんなにスキなの?


絶望している俺のことなんかお構いなしに、七緒さんは少し照れたみたいに続ける。



「服なんて自分に合う物がベストって思っていたけど、好きなヒトを考えてオシャレするのも悪くないわね。」


平静を装った笑顔の裏で、アップアップの状態。


やだもー、俺、ホント泣きそうだよ……。


「リカ」

「…ん?」

「そんな顔しないで」


慰めるような優しい声音に俺の眉間はますます力が籠った。


そんな顔……しないでいられるワケがないんだよ。


胸がイタくてこんなのどうしようもない。


無様にも取り繕うことが出来ない。


けど。


どん底まで落ちたら、もう浮上するしかないじゃん。




だって、俺は帰ってきたんだよ。



< 228 / 233 >

この作品をシェア

pagetop