じぇねれーしょん

一瞬虚を突かれたような顔をした七緒さんは次いで、ふぅっと溜息を吐いた。


「……まったく、アンタって子はぁ……」


横を向いて悪態を吐く顔がほんのりと赤く染まっている。


明確な拒否がなかったのを了承と解釈し、俺は手早く会計を済ませて七緒さんを掴んだまま外へ飛び出した。


外に出るなり危うく引き寄せキスしそうになって、無理矢理引きはがす。


「いや、ダメ!今、ここでしたら、絶対路地裏に引き摺りこむ!」

「り、リカ………」

「分かってるから、ガマンすんの!」


俺はどこまで切羽詰まってんだか。


なんかもう耐えられずにジタバタしながら、とりあえず近くで一部屋だけ空いていたラブホへ突っ込んだ。


入ったコト自体が初めてなのか、七緒さんは物珍しそうにニギヤカな内装を見ていたけれど。


二年前は、万が一にも公になったら問題になるよな、と思ったからあえて利用しなかった。


でも、もう問題ないし?


安っぽさは素直に謝るけど、今日はユルシテ。


悠長に場所なんか考えてる余裕ないんだもん。


部屋に辿り着くなりキツク抱きしめて唇を塞いだ。


俺がデカクなった分、華奢な身体はすっぽりと腕に収まった。


今日のためと思われるフレグランスは記憶にない甘い香り。


まるで別人のようだけど。


キスは記憶のまま。


夢中になって直ぐに逆上せた。

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