じぇねれーしょん


「はぁ…どしよ。簡単に、溶ける……」


もっと冷静にいけると思ってた。


距離を置いた分、俺が大人になった分、余裕持って、大人の顔して、一から始めるんだと思ってた。


だけど蓋を開けたらどうだ。

二年のブランクもなんのその。

募った想いの分だけ余計にこのヒトが愛しくて堪らない。

欠けていた部分を補うように、欲しくて堪らなくなる。


俺に抱きすくめられたまま、七緒さんが窮屈そうに顔を上げた。

泣きそうな瞳に笑顔を浮かべて。



「お帰りなさい、リカ。」

「七緒さん……タダイマ。」



帰ってきたよ。

あなたの元へ。

もう二度と離れたりしないから……。








Fin.

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