じぇねれーしょん
着替えている間に晴可に七緒を裏に運んでもらって、おんぶで帰宅。
只今、利嘉は居候の身で、家主兼バイトのオーナーである皆実(みなみ)のマンションまでそれほど距離はない。
皆実は『出たきりスズメ』でマンションはいつもどおり空である。
自室のベッドに七緒をそっと下ろした。
起こさないように細心の注意を払ったとはいえ、身動ぎもしないで爆睡している七緒はどうかと思う。
決して安っぽくなはいスーツに皺が拠ることを懸念してボタンに手をかけ、直ぐに引っ込めた。
無論、意識のない相手を襲う趣味はないし、何より七緒を不用意に傷付ける気は毛頭無いのでどうするつもりも無いが、服を脱がすという行為にうっかり勘違いしそうな自分が否めない。
だって七緒はスゴク魅力的だ。
年上だからという単純な事ではなく、クールな容貌も、時折見せるとんでもなく素直な言動も利嘉の心を捉えて揺さぶる。
「……頭冷やそ」
このままいたら冗談じゃなく問題行為に突っ走りそうな自分を懸念して、シャワーへ向かった。