じぇねれーしょん
やはり浮ついていたのか服を忘れた。
服を取りに行くだけだから!
シャワーを済ませた利嘉は誰に言い訳しているのかしこたま繰り返しながら、自室を覗いた。
と、丁度良く七緒が目を覚ましたようだ。
覗き込んだ利嘉にぎょっとしてベッドの上を後退さる。
さっきはあんなにフレンドリーだったのに……、とちょっとがっかりしつつもその理由を十分に理解している利嘉は、状況を含めて素直に説明してやる。
すると七緒は途端に萎れた。
「ゴメンね。いい歳の大人なのにあんなところで醜態晒しちゃって、ベッドまで占領しちゃって………」
項垂れた七緒は『いい歳の大人』なくせにどーかしてやりたくなるほどメチャクチャ可愛い。
ああ、もう。ダメだ。
腹を括った利嘉はドキドキと煩い心臓を持て余しつつ、平静を取り繕ってベッドに腰掛ける。
「全然。すっごく驚いたは驚いたけど。酒の所為じゃなくて安心したし。」
七緒がほっとした様子の顔を上げる。
利嘉は視線が逸らされないように真っ直ぐ射抜いた。
「それに。ボランティアじゃないんだから、何の下心もなく女性をお持ち帰りなんてしないんだけど。」