じぇねれーしょん

本能とはいえどこか冷めていて、適度なマニュアルを駆使して性欲を捌くだけの行為。


ずっとそう思っていたのに、昨晩は違った。



『…や、んっ…ダメ、よ…リカァ…』



鼓膜に染みついている欲情に濡れた声―――


乞われるまでじらして、ようやく入り込んだ中はとても心地よく、取り憑かれたみたいに貪って果てた。


これまで体験したことのない快楽を得たくせに、余韻を味わう程もなくまた欲しくなった。


手早く支度を整え、七緒が快楽に揺っている間に再び挑んだ。


触れたところからゾクゾクして、意思より先に体が勝手に暴走する。


頭は真っ白で、マニュアルなんか引っ張り出す余裕もなかった。


その手の嗜好は無いから乱暴はしてないと断言できるけど、己の快楽先行で相手を満足させられたかどうかはまるで自信がない。




昨日の節操のなさを思い出し、頭を抱える。




所詮はガキ。

ガッついてみっともない。

というか、鬱陶しい。


と、常には大人の男を相手にする七緒に呆れられたのかもしれない。



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