じぇねれーしょん
超絶ブルーだったけれど時計を見た利嘉はノロノロとシャワーを浴びて朝の支度を整えた。
両親はバーテンダーになりたいという利嘉の夢を賛成していない。
日常会話のように繰り返される小言が鬱陶しくて、叔父である皆実のところへ転がり込んだ。
利嘉の強硬手段に親は呆れ、公然と賛成はしないまでも折れてくれたようだ。
ともかく、バーテン修行については口出ししないが、学業を疎かにするな。というのが一同の間では暗黙の了解になっている。
誰も教えてはくれなかったけれど、その時の皆実の口添えが功を奏したらしい。
だが、口が裂けても『味方だよ』とは言わない皆実には理由なき遅刻欠席が発覚したら即刻家から追い出すと笑顔で宣言されてある。
大人の出した妥協案をウルサイと突っぱねるほど利嘉も斜に構えているわけではなかった。
寧ろ、寛大だなぁとさえ思っている。
電車を一駅使って四十分後、
濃緑のブレザーにチェックのスラックス。
制服に身を包んだ利嘉は今年で三年目となる『高校』へ辿り着いていた。