じぇねれーしょん
利嘉が真剣に読んでいたのは、季節単位の読者モデルの応募要項。
若者向けの、主に少女向け雑誌で、コイビト同士のファッション紹介がテーマで毎回男の子と女の子が一人ずつ選ばれる。
カップルでの募集も多いが、ピンでもオッケー。
短期限定なのは、親近感を強調するために色々なパターンを望むためで
…例えば、チビだったりノッポだったり、痩せていたり、ぽっちゃり型だったり…
の、本来ならばモデルとしての商品価値の低い素人だからだろう。
所謂、使い捨て。
だが、商品価値の低い素人側からすれば、跳びやすいハードルの高さといっていい。
女子等の付け足しによると、その中から人気の出たモデルも一杯いるそうだが。
「リカチャンなら可愛いから絶対受かるよー。」
「知り合いがモデルなんてカッコ良くね?」
「モデルの子とオトモダチになって紹介してぇ~。」
女子達と、いつの間にか後ろをついてきた男子までもが勝手な言い分で盛り上がる。
見世物パンダなんてバイトだけで十分。
(勿論、女子の部にエントリーするつもりはないが)
将来は世界一のバーテンだし。
(で、モデルなんてサラサラ興味なんて無いけれど)
「……挑戦してみよっかな……」
利嘉は呟きと共にある決心を固めた。