じぇねれーしょん
疲れた。
締め切りが終っても、通常業務は例のごとく多忙。
というか、もう、二つ先の雑誌の要項を絞っている最中で、その間にある締め切りのタタキ台もそろそろ完璧に揃えてチェックしておかなくてはならない。
ちょっと小さい雑誌社なら仕事は殆ど分業、その手のプロに丸投げもありだが、中途半端に大きかったが故に殆ど自社製作だ。
予算の関係上、決して人数が多いわけではないので、社員への負担はかなり大きい。
やりがいがある、と強烈な自己暗示でも掛けなければ発狂しそうだ。
入稿チェックに余念の無いこの時期に、今回、七緒はこともあろうか別の仕事も任されることになった。
ずばり、モデル引率。
対外的な取引を大まかに分けると服や小物などの商品関連、そしてそれを引き立てるモデル。
仕事としてはその関連会社と自社の連携役だ。
モデルは大抵、取引のあるモデル派遣業社から契約派遣される。
だが、今回七緒が管理を任されるのは自社応募のド素人の方だ。
雑誌に素人カップルのファッション枠があって、季節ごとに素人が選抜される。
モデルの自覚も無い上に、ちょっとイケテルと思い上がったバカガキ揃いで、扱いが難しいとか、歴代の引率者は語っていた。