じぇねれーしょん
はぁ、癒されたい。
またそろそろ仕事が立て込むので、その前に一度誰かを呑みに誘って鋭気を養っておくかな。
スケジュールをさらっていた上の空の脳裏にふと、ある人物が浮かび上がった。
バーテンダーのリカちゃん。
あの一夜の記憶は随分鮮明で、今でも時折思い出す。
嫌われたくなくてどうしたって顔色を伺ってしまう『恋人』とは違う。
どうせ二度と会わない行きずりの相手。
だからと安堵した所為か、あの晩はどこまでも開放的で奔放だった。
『お願い…も……』
散々じらされ、我慢できなくなって見栄も体裁もなく乞うた。
頭部を引き寄せキスの雨を降らせ、熱い楔に腰を擦り寄らせ強請った。
そりゃもうこんな歳で、これまで恋人もいて経験がないとはいわないけれど
―――でも、こんなに身も蓋もなく求めたことなんてない。