じぇねれーしょん
説明は上手く出来ていたか自信がない。
雰囲気を味わわせて顔見せだけがメインの打ち合わせが終了して、話かけたげなリカの視線を黙殺して、スズキをとっ捕まえどうでもいい打ち合わせで時間を潰した。
諦めたのかいつの間にかリカの姿が消えていて、七緒はほっとして自分の課へ向かった。
と、
廊下からいきなり腕が伸びて、エスカレーターのお陰で今はあまり利用する者のない階段へ引きずり込まれた。
「何で、避けるの?」
顔を見なくても誰の声かは分かる。
反射的に逃げようとして、行く手を腕に阻まれる。
それでも悪あがきに逃走手段を探して彷徨う七緒の視線に、リカは少し拗ねた風に言った。
「まぁ、この間も逃げられたくらいだし?よっぽどボクはお気に召さなかったようだけど。」
そんなことない!
思わずそう反論しそうになった七緒は顔を上げかけ、嫌なものを見たかのように視線を逸らした。